『若恋』若恋編




兄貴がパソコンの向こうで深いため息をついた。


「どうする奏?俺はこのまま黙ってみてることにするが」

「ああ。後は俺が決着をつける!」

「そうか、ならいい」


安心したような声音だった。



「兄貴、……サンキュ」


政財界に顔の利く兄貴が笑ったのがわかる。



「榊、りおを救い出しに行くぞ」

「はい」



榊とふたりホールから出ると、前広、毅、一也、拓也が揃っていた。


「若、」
「連れて行ってください!」
「俺たちもりおさんを救い出しにいきます!!」



真剣な眼差しだが、

「……相手は仁だぞ」

鬼神の仁だ。
無傷では戻れないかもしれない。仁は裏切り、俺と刃を交えることを選んだ。

かつては仲間だった仁の裏切り。
永い時を共に過ごした仁に躊躇なく引き金を引けるか?



「覚悟はできてます!」