『若恋』若恋編






「そのワンピース似合うぜ」


りおの瞳が輝きを増して嬉しそうに笑った。


「それ、全部だ」

「ありがとうございます」

店主がにっこりと微笑み、カードでの支払いを榊に任せ店を出る。



「高いもの買わせちゃってごめんなさい」

「?…何が高いんだ?」


申し訳なさそうにりおが頭を下げると仁が、
「若は坊だからな」
くっくっと、可笑しそうに笑った。


次に入った店でも同じように買い物してカードで支払いを済ませ、また隣の店へ。


隣はジュエリーショップで、ガラス張りのショーウインドーの中にはりおに似合いそうなものが。


「見たい!」

「いいぜ」

目をキラキラさせてるりおの手を引き店に入った。


「大神様、いらっしゃいませ」

「自由に見させてくれ」

「かしこまりました」


店主が含みを持った眼差しでりおを見て穏やかに笑んだ。