それからしばらくして、りおが買い物に出掛けたいとごねた。
「奏さん、お願いっ!
毎日、榊さんと仁さんの護衛で学校に行っていたけど学校の往復しかしてないの。
たまには買い物したいし映画だって観に行きたい!」
潤んだ瞳でわがままを言うりおに泣き付かれてとうとう折れた。
「仕方がねえな」
頭を掻く。
「まあ、たまにはいいか。榊、仁、行くぞ」
日曜日に買い物とその帰りに映画を観に行くことになり、はしゃぐりおを連れて街へと繰り出した。
「りお、着いたぞ。降りろ」
留恵さんがよく行く店に引っ張っていく。
「まあ、大神さま」
丁寧に頭を下げるオーナーに、りおを差し出した。
「俺の女に服を…ああ、靴も。バックもいるな。なるべくこいつの好みの服を」
「かしこまりました」
「こちらへ」