『若恋』若恋編





「…だめ、奏さん」


ベッドへ下ろし、
ネクタイを首から引き抜いて、りおの両手を頭の上に束ねて結んだ。



「―――りおは俺のものだ」



「……だめ、」

「りおは俺のものだ」



「…んっ、んんっ!」


強引なキスでりおの自由を奪う。

首筋に舌を這わせ、同時にパジャマのボタンを一つずつ外していく。

はだけた胸元にくちびるを落とす。



ビクッ



「りおは誰にも渡さない」



「んっ、…奏さんっ」



胸が張り裂けそうだ。



「他のヤツに盗られるくらいなら俺が」



りおを守ると言った。

もう傷つけさせないと誓った。

りおが選んだならあいつでも認めると思った。


認められると思った。





だが―――現実は。





他の男のものになるのに耐えられない。

相手を殺しても構わない。

他の男のものになるなど許せない。





―――譲れない