りおが選んだのがあいつなのなら、潔く身を引こう。


言い聞かせ、言い聞かせ、りおが自分から話してくれるのを待った。


屋敷に帰ってからも、りおの作った食事もこれが最後かもしれないと思うと胸が痛くて食べることができない。



いつも通りにしているりおの背中を見ながら我慢しきれなくなる。

息苦しい。




「奏さん、具合悪いの?」

座っているソファーにりおが近づいてきて額の熱を測ろうとするその手を掴んだ。



「今日…学校で何があった?」


「え?」

隠し事するつもりもなかったらしいりおから、今日友達から告白されたことを軽く話された。


「そいつとはどんな付き合いなんだ?」

「ど、どんなって、普通に同級生なんだけど」

「そいつのことをどう思ってんだ?好きなのか?」