ため息を大きく吐き出して肩を落とした。 「わかった」 「悪りぃな」 「後でその手手当てするぞ」 「ああ、頼む。車借りるぞ」 じっと見つめる榊と、苦虫を噛み潰したような顔をした仁に手を振り車に乗り込んだ。 「30分ほどで戻る」 言い置いてアクセルをふかす。 あの日、りおと出会った場所で。 自分の気持ちと向かい合いに行く。 ―――俺はどうしたい?