俺の幼なじみ、上条小鳥。
小鳥は、昔から人の頼みを断る事ができないお人よしで、甘えん坊な普通の中学生だった。
しかし、男子にモテる小鳥を、嫌う女子も多い
嫌がらせもエスカレートしていった

ノートに悪口をかいたり、靴箱に虫をいれたり、そんなのは小学生がする事であって中学生のいじめは卑劣なものである
小鳥に「学校やめろ」という奴や、先生の前で優等生ぶる人、小鳥はそれ位なら我慢できたのだと思う。

中学3年の春 俺と小鳥は、同じA組だった。
そのA組は、女子の比率が高く、小鳥の心配も日に日にましていくようだ

ある日、ぶかつもおわり、家路を帰ろうとしたときだ
体育倉庫から、悲鳴が聞こえ…
「誰か 助けて」
体育倉庫へ向かい 走る 声は、だんだん力のないものに変わった。
「助…けて」

俺が体育倉庫へついたときには、小鳥以外 誰もいなかった…
小鳥がきていた カッターシャツは赤い血で染まっていた。

「小鳥っ 小鳥っ 大丈夫かっ 小鳥っ」
返事がない
息はしているか、ハイライトのない目 薄く笑みを浮かべた表情 まるで人形だ

おれは、必死に小鳥を病院まで運んだ
怪我は、たいしたことないと言われたが もう一つ言われた

「もう、元の小鳥さんにはもどりませんよ」

意味がわからなかった

もう、元の小鳥には戻らない?
小鳥を抱いている手は、微かに震えていた。