『…浩哉、眠い』


『なら葛川の頭のてっぺん見とけ。風で浮きそうな際どいラインで気になって寝れなくなるから』



そうニヤッと笑って浩哉は前を向いた。



…浩哉はアホだ。けどヘンなもの見つける天才でもある。



口パクでこうやって話せるのは私くらいだろうな。小学生の頃からやってることだけど、何だか幸せな気持ちになった。



こんな私たちを周りのみんながどんな気持ちで見ていたのか、私にはわからなかった。