「なんで、こんな急に…?」
 
 
 
「前から、留学は決まっていたことなんだ…。拓磨も知ってるだろ…?」
 
 
「それは、俺だってわかってるよ。
なんで、急に決まったのか聞きたいんだよ…。」
 
 
 
「それは…親父の命令で…。」
 
 
「はっ?親父が…?何のために?」
 
 
 
「それは、わからないけど…」
 
 
 
プルルルルーー
 
 
「はい。工藤家別邸でございます。
…はい、かしこまりました。」
 
 
 
 
コンコン
 
 
 
 
「失礼致します。拓磨様、旦那様からお電話です。」
 
 
 
 
この、タイミングかよ…。
 
 
しかも、親父から。
 
 
 
「あぁ。わかった。
…兄貴、詳しくは親父に聞くから。」
 
 
 
「あ、あぁ。」
 
 
 
 
 
 
 
「もしもし。」
 
 
 
「遅かったな。この私を待たせるとはどういうつもりだ?私はお前と違って忙しいんだ。」
 
 
 
…っ、うざっ…。
 
なら、電話してくんなよ。
 
 
このクソ親父…!
 
 
 
 
「…で、なんなんだよ。」
 
 
「拓海が留学することになった。」
 
 
 
「~っ知ってるよ…!てめぇが命令したんだろ!?」
 
 
「知ってたならいい。
話はそれだけだ。」
 
 
「なんで、こんなことしたんだよ!」
 
 
 
 
「留学は前から決まってたことだ。お前も知っていただろう。」
 
 
「それは、知ってたけど。
なんで急に決めたのか聞いてんだよ!」
 
 
「決まっているだろう。お前とあまり関わらないようにするためだよ。」
 
 
「…は?…んだよ、それ!」
 
 
 
 
 
「拓海は、次期社長だぞ…?お前みたいな奴に手間をとってる暇は無いんだ。わかるだろう?」
 
 
 
「……。」
 
 
 
「言いたいことはそれだけか?それなら切るぞ?」
 
 
 
 
「…あぁ。」
 
 
 
ガチャっ
 
プープープープー