「拓磨ー!ついたぞー。」
「あぁ。見りゃわかるよ」
「だな。じゃあ、俺バイク停めて来るから、先に家で待ってて。」
「わかった。」
ガチャっ
「拓磨様、お帰りなさいませ。」
「あぁ、ただいま。」
ガチャっ
「拓海様、お帰りなさいませ。」
「…兄貴、速過ぎるだろ…。」
「アハハま、いいじゃん。細かいことは気にすんなよ。」
「えぇー?…まぁ、いいけど…。」
「それで…話なんだけど。」
「あぁ、うん。」
「俺さ…。
留学することになったから。」
…えっ?
兄貴が、留学?
兄貴は俺の唯一の理解者なのに…。
あの事件があってから、周りの大人から「工藤家の落ちこぼれ」と、言われるようになった俺に以前と軽蔑もしないで変わらない態度で接してくれた兄貴…。
だから、俺はそんな兄貴が大好きだったし、尊敬してた。
なのに、兄貴がいなくなったら、俺はどうすればいいんだろう…?
「あ、あのさ、それって、いつの話?」
「…出発は、1週間後…。」
…。
兄貴は、次期社長だから、いずれは留学とかするんだろうなとは、思ってた…。
だけど、こんな急に…。
