そして、俺はあの事件のあとから、東京都内にある工藤家の本邸を離れ、都内から遠く離れた場所にある別邸で1人で暮らすことになった。
1人っていっても、一応家政婦や執事はいて、生活に困ることも無く暮らしている。
そして、高校も工藤家の人間ということを隠しながら、公立高校に通っている。
「…ま!っ拓磨!」
「…えっ?あ、兄貴!?」
「大丈夫か?さっきから、呼んでんのにボーッとして。」
「…あぁ、大丈夫、考え事してただけ…って、えっ?なんで兄貴がここにいるんだよ!?」
東京の名門大学に通っている兄貴は、本邸に住んでいるから、別邸に来ることなんて、あまり無いのに…。
「あ、あぁ…ちょっと、拓磨に話があってな。」
「話?話ってなんだよ?」
「…まあ、この話は後にしよう。」
「ん?なんでだよ。わざわざここに来るくらいなんだから、重要な話なんじゃないの?」
「…いや、俺は今でもいいんだけど…
拓磨、お前学校の時間大丈夫なのか?」
「…えっ?時間?はぁー、8時か…。
って、8時!?」
俺は、工藤家の人間だとばれないように、自転車で学校に通っている。
しかも、別邸がある場所から学校までは、早くても45分かかる。
始業時間は、8時30分だから、どんなに急いでも間に合わない…。
「拓磨様。御車の手配を致しますか?」
「いや、いい。俺が送る。」
「拓海様…。そんな、次期社長でもあろうお方が…」
「俺の言うことは絶対だ。」
「か、かしこまりました。」
「拓磨。バイクの後ろに乗っけてやるから、急げ。」
「あ、兄貴サンキュー!」
「「行ってらっしゃいませ。拓海様。拓磨様。」」
「「あぁ、行ってくる。」」
ガチャっ
「拓磨。ちゃんと、メットかぶって、しっかり掴まってろよ?
…ビビって落ちんなよ?笑」
「ビビってねぇーし、落ちるわけないだろっ!笑」
「じゃ、行くぞ?」
「あ、あぁ、遅刻しそうだから、なるべく速くしてな?」
「りょーかい♪」
ブロロロロローーー
「えっ?うわぁぁーーーー!は、速すぎるってぇぇーーーー!」
