数日後、翔の葬式が行われた。
 
 
俺は初めて翔の家族に会った。
 
 
 
翔は、家族が好きだったから、よく家族の話は聞いていた。
 
 
けど、会ったのは初めてだった。
 
 
 
「…初めまして…。
翔の友達の工藤拓磨です…。」
 
 
「…た、拓磨?…拓磨って、もしかして、あんたが翔を…?」
 
 
 
そう言われて俺は何も言うことが出来なかった。




パチンっ
 
 
「~っ痛…」
 
 
 
「なんで、翔を殺したのよ!
なんで…。」
 
 
「申し訳…ございませんでした…。」
 
 
 
「目障りよ!この、人殺し!
帰って!帰ってよーーーー。」
 
 
 
俺は、叩かれた頬よりも、
心が痛かった。
 
 
「本当に…すいませんでした…。」
 
 
 
その時から、一度も翔の家族に会っていない。
 
 
 
 
そして、事件は工藤財閥の金の力で揉み消されたーーーー。
 
 
 
翔は屋上から誤って落ちて死んだことになった。