あれは、中3の夏。
その時、俺と翔は自他ともに認めるほどの学校1の仲良しコンビだった。
俺も、翔のことを親友だと思っていたし、誰よりも翔を信頼していた。
なのにーーーーー。
俺は、翔に裏切られたんだ。
当時、俺には好きな女がいた。
結城天(ゆうき そら)。
同じクラスの女子で、明るくて、優しくて、美人だったので、好意を寄せている男子は多かった。
だけど、俺には恋愛経験があまりなくどうすればいいのかよくわからなかった。
だから、翔に相談したこともあった。
そのぐらい、俺は翔を信頼していたのに、翔の一言によって、俺等の友情は崩れたんだ。
翔の「俺、天と付き合うことになったから。」
この一言で。
その時、俺等は溜まり場でもあった屋上にいた。
「翔!どういうことだよ!結城と付き合うって!」
「そのままの意味だよ。天に告られたから、付き合うってだけ。」
「~っ!お前、俺の気持ち知ってんだろ?!なのに、どうして…。なぁ!」
ガシャンっ!
そして、翔の一言によって、冷静さを失っていた俺は、翔を屋上の端まで追い詰めていた。
「ちょっ!拓磨、落ちつけって!
マジ、ごめんって。お、落ちるから…。あ、危ないから1回落ちつけよ。」
しかし、俺には翔の言葉は届いてなかったんだーーーー。
そしてーーーー。
「なぁ!知ってたんだろ、俺の気持ち!なのに、なんでだよっ!」
「だから、ごめんって!
拓磨!…うわぁぁぁーーー!」
グシャっ
「…えっ?し、翔!?」
翔は屋上から落ちた。
そして、翔は死んだーーーー。
俺のせいで翔は、死んだんだ。
