翌月 リュウヤと兄が出るステージを兄に頼んで 自分と友達の分のチケットを
もらい見に行くことになった

あれからリュウヤとは3回位しか 逢えなかったけど

兄が強制的に撮ってくれたツーショット写真を見ながら ダンスの勉強をしていた

ステージ上のリュウヤは いつもとは別人で 見ているだけで
 
胸が張り裂けそうになった ステージが終わり 楽屋に挨拶に行くと

いつもの優しいリュウヤが居た

「ナオちゃん!久しぶり。今日のステージどうだった?」

「すっごくステキでした。私も早くあんな風に踊れる様になりたいです!」

「嬉しいなぁ。大丈夫ナオちゃんなら きっとなれるよ」

「ありがとうございます!」

「そうだ 今から みんなに大事な話をしようと思ってるから
 ナオちゃんもいてよ」

「大事な話?」

私は次のステージの事かな?と思っていた

そして他のメンバーが集まった時 リュウヤはみんなに呼びかけた

そして信じられない言葉が私の耳に入ってきた

「みんな。実は大事な話があるんだ 俺実はNYに嫁さんが居るんだ」

「はっ?マジで?そんな事言ってなかったじゃん」

「いや、ごめんミオ 隠すつもり全然無かったんだけど 
 嫁さんが妊娠したらしくてさ 今日の最終便でNYに帰る事にしたんだ
 突然でゴメン 俺がリーダーとして 頑張って 嫁さん呼んで
 日本で暮らそうと思ってたんだけど 嫁さんの体調的に
 そうもいかなくてさ 社長と話をして これからのリーダーは         ミオに任せる事になった ミオいきなりで悪いけど 頼むな」

「・・・はい」

「じゃあ俺はこのまま行くわ ナオちゃん 一生懸命練習して
 お兄ちゃん 支えて行ってあげてね じゃあ元気で」

何も言えなかった・・

何もかもが突然過ぎて 

さよならも・・・

他のメンバーが祝福する中
 
おめでとうさえも・・・

あまりにも 突然で

私は おめでとうの一言も言えなかった・・・

ただ ただ 呆然と立ち尽くして

去って行く彼の背中だけを見つめていた・・・