これは私が実際に経験した13年間の恋の話。

14才の夏・・・

初めて付き合った彼と別れた。

理由は、彼の親が仕事の都合で引っ越す事になり

初めて付き合った2才年上の彼氏と 初めての遠距離恋愛

今なら遠距離でも上手くいっていたかもしれないけど

14才の中学生には 逢いに行く事すら出来ずに

逢えない事に イライラして 電話をするたびにケンカになり別れてしまった。

でも子供の私は初めての失恋を 吹っ切れる事も出来ずに

部屋に閉じこもってばかりいた。


コンコンッ

「ナオ 入るぞ」
 
いつも出掛けて なかなか家に居ない4才年上の兄が
めずらしく昼間に私の部屋のドアをノックした

「なに?」

「何じゃないだろ。夏休みだっていうのに遊びにも行かないし
 メシもろくに食わないって おかんが心配してるぞ」

「食べたくないし 外にも出たくない」

「お前さぁ レンとなんかあったろ?」

正直一番聞きたくない別れた彼の名前を 兄はさらっと出した
元々レンは兄の後輩だった

兄が友達と行くから 一緒に行こうと連れて行ってくれた遊園地に
たまたま来ていたのがレンだった

きっとレンから私と別れた事を聞き 兄なりに心配してるんだろう

「聞いたんでしょ?別れた事」

「・・・あぁ。理由も聞いた。」

「ねぇお兄ちゃん どうしたら良い?」

「なにを?」

「イライラしてさぁ 別れるって言ったけど 忘れられないんだレンの事」

「お前はどうしたいんだ?」

「色々考えたけど ヨリを戻しても結局遠距離で逢えないし
 忘れた方が良いとは思うけど 忘れられない」

「ふーん 忘れたいかぁ でも俺が思うにお前は忘れようとしてない」

「私が忘れようとしてない?」

意味がわからなかった

忘れる為に

こんなに悩んで

こんなに苦しいのに

忘れようとしてないだなんて・・・

そう思った瞬間 私はベッドから飛び起き

兄にくってかかっていた