「和夢!!!和夢!!!和夢…」
誰かの呼ぶ声が聞こえる。
誰?
この声…。
「ん……」
目を開ける。
!!!!!!!!!!!
何故かの正樹さんのドアップ。
「わっ!」
正樹さんもびっくりしたように、後ろに転がる。
「す、すいません…」
「あ、いいよ。それより大丈夫?」
正樹さんが、頭を摩りながら言った。
「はい……それより何で…?」
私には不思議でたまらなかった。
「あ…うんとね、仕事の帰りでこの辺通ったから、いるかな?っと思って。」
そうか、私はそのおかげで助かった。
まだ、あの息遣いを覚えている。
「大丈夫?…翔呼ぶ…」
「辞めて!!……大丈夫だから…」
正樹さんを止める。
私の声にビクッと反応する。
「あっ……えっと…そっか、ならよかった。」
ニコっと笑う。
やっぱりそこにいるのは、アイドルで、かっこいい。
しばらく見つめていると。
ガラ…
「和夢…?…!!!!!正樹!?どうした?」
和也さんが入ってきた。
「あ…えっと、前来た時に携帯忘れちゃって…」
正樹さんが、後ろでピースサインを出しながら言った。
「そっか…じゃ、準備手伝ってくれる?」
和也さんは疑いもせずに、正樹さんの肩に手を回していった。
「はい。」
正樹さんは頷き、ニコニコしながら準備を始めた。
「か、和夢?…その、手首の痣…なに?」
翔が怖い顔で近づいてくる。
痣…?
そういえば、あのとき後ろ手でしばられた…。
手首には、何かで縛られた後…
いや…嫌!…こないで…。
思いも虚しく翔との距離は縮む。
「これ…!!!!」
翔が手首に触れた。
そして、目を大きく見開き、怒鳴るように続けた。
「どういうこと!?…おい、黙ってたらわかんねぇよ!…正樹なんか知ってんのか?」
「………」
正樹さんは、私がさっき止めたから、このことを言うか迷っているようだった。
「この痣で、何もなかった、ってことはないだろ?」
冷静を取り戻した翔は、冷静に聞いてきた。
「ちょっと…」
正樹さんが翔を病室の外へ呼んだ。


