「じゃ、自己紹介を」
「はい。日暮 雄大(ヒグレ ユウダイ)です」
男の子が少し微笑んでそう言うと、クラスの人たち、特に女子が騒いだ。
「へぇ~、雄大君て言うのかぁ」とか、「かっこいい~」とか言って、目がハート状態だ。
雄大と名乗る男の子は、確かにかっこいい。
染めているのか色素が薄いのかよく分からないけど、茶色で程よい長さの髪の毛。
目は大きくて二重で、高めの鼻に、シャープな顎。
私のクラスだと高めの、150cm前後の身長。
なんて言うか、表現しにくいのだけれど……。
「よし、ありがとう。席は、真ん中の列の一番後ろで空いてる席に座ってくれる?」
「はい……」
雄大君は、先生の指示に従って、指定された席に向かって歩いて行く。
それを目で追っていく人たち。
もちろん、私も目で追っていく。
