「……あの、返却日ってここに書かれている日で?」 と、何かを指差して言った。 私はカウンターからズイッと身を乗り出して、雄大君の指の差されている方を見た。 そこには、ぶら下がられたホワイトボードがあって、 『返却日 7月30日』と書かれている。 「あぁ、うん。30日までならいつでも」 「あ、そうなんですか。ありがとうございました」 雄大君はペコッと頭を下げると、最後に満面の笑顔を見せて、図書室を出て行った。 (……あ、ヤバイ) 今、胸がキュンとした――……。