「……雄大君」
そう、雄大君だった。
今日、転入してきてばかりの、日暮 雄大君――……。
「え、なんで俺の名前……」
不思議そうに目を見開いている雄大君の顔に、ハッと我に返った。
とっさにパソコンに目を向けて、さっきの人同様のことを聞く。
「えとっ……、クラスと番号を教えてください」
あまり気に留めなかったのか、すぐに「5年3組の38番」と教えてくれた。
と言っても、私のクラスに転入してきたのだからもちろん知っている。
本の番号を記入して、雄大君に渡した。
だけど、雄大君はなかなかカウンターから離れない。
「……どうかした?」
