それから10分後……。
雄大君たちが戻ってきた。
2時間目の放課h20分あるから、まだ5分くらいは残っている。
席に戻って、ニコニコと楽しそうに話している雄大君が目に入る。
『ありがとう』とでも言っているのかな?なんて考えていると、
ふとあることがよぎった。
それは、雄大君はどうしてあんなに女の子と話せるのかだ。
今もだけどさっきだって、女の子に囲まれて学校を回ってたし……。
恥ずかしくないのかな?
そんなことを考えながら、凛子と話をしていた。
「雄大君はさぁ、前の学校でもあんな感じだったんだよ」
凛子の言葉に、ビクッと肩が弾む。
あ、あれ?
私、なんか言ったっけ?
いやいや。
何も言ってないよね?
『雄大君はさぁ、前の学校でもあんな感じだったんだよ』
その言葉は、まるで私の心の中が読み取れたようだった。
……実際、凛子にはそんな能力なんてもちろんない。
