その距離が、肩が触れるほど近くて、ドキドキと胸が緊張する。 いくら好きじゃないからって、ちょっと近すぎるのでは……。 私は鉛筆を止めて、左ひじで翔磨をつついた。 「わっ、何!?」 「近いの、離れてっ!」 「だったらひじでつつかないで言葉で言えよ!」 「どーでもいい!」 翔磨は「チッ」と舌打ちをすると、 腕を組んで椅子にもたれ掛かったせいか、椅子の前足2本が浮き上がった。 「なんで翔磨が怒ってんの……」 「うるせー」 ……ムカつく。