凛子の方を見ると、机に突っ伏して耳を手で塞いでいる。
隣では翔磨がまた「うっわ、ヤベ」とか言ってるし。
なんとなく後ろを振り向いて、雄大君の方を見た。
やっぱり楽しそうに話している。
頬杖をついてジ~ッと見ていると、パチッと雄大君と目が合った。
雄大君が表情1つ変えないで私を見るから、つい不自然に目を逸らしてしまった。
またバレないようにチラリと後ろを向くと、
雄大君は何事も無かったかのようにまた喋っていた。
私はホッとして前を向き直し、
筆箱から鉛筆を取り出して、漢字ドリルを開き文字をスラスラと書いていく。
「ユズ、お前って偉いね」
と、翔磨が私のドリルを覗き込んできた。
