「譲…
 私この間憂の部屋に言ったの。
 そのとき憂の大切にしてた小物入れを見つけてさ。
 鍵掛かってて開かなかったけど箱の裏に『譲へ』って書いてあったの。
意味があるとしか思えないよね…?」


憂が大切にしていた小物入れ…



「それって緑の宝箱みたいなやつ?」


そう聞くと蜜華は『うん』と首を縦に振った。


やっぱり…


それは俺が憂にあげたやつ。


だからそれに『譲へ』と書いてあるんだったら何かきっとあるはず。


憂と言葉が交わせない,抱きしめてくれない。


だから何か憂に関わりたかった。


俺は蜜華を会場に降ろした後,真っ直ぐに憂の家に向かった。