「話してあげて?
 今日あった事とかどんな些細な事でもいいから。
 手を握って話してあげて?
 ちゃんと聞こえているから。」


女の子はそう言って歩きだした。


俺は『ありがとう』と言って反対方向に歩きだした。



「優〜お待たせ!
 って……」


病室に戻ると優は憂の手を握って寝ていた。


買ってきたジュースを冷蔵庫に入れて憂の隣に行く。


椅子に座り憂の手を握る。


さっきの女の子が言ったように俺は話をした。


優や蓮さん,千和さんの事。


蜜華と昌の事。


話していると何故か涙が頬を伝う。