たどり着いた先に、見えたのは“天神学園高等学校”の歴史を感じさせる明朝体の文字が羅列された標札である。日本に存在する他の高校と何ら変化ない見目の校舎に、静けさが沈滞している。授業中なのだろう、しかし、乙は何分竜宮城に籠もりきりだったのでその辺はの礼儀はさっぱり判らないのだ。何の断りもなく門を開けて、中に足を踏み入れた。

人外だからこそ分かる、学園内に蔓延る濃度の濃い空気に、笑みを深める。“そういう”同類が沢山居るようだ。彼女は気分を高揚させると足早に目的地へと向かった。