ちらり、と横目で宮野に手を握られてる人物を見遣る。 困ったように眉を下げて、引き攣りながら笑っている彼女の名前は、天野さん。 俺と宮野が入学を目指している***高校の一年生らしい。 この情報を提供してきたのは、云わずもがな宮野である。 あの半年前の衝撃的な電話の次の日の昼休み。 何故***高校に行きたかったのかを尋ねたら、宮野は笑顔で"天野さんの仕事終わりまで店の中で待ち伏せして、彼女が帰る時に何処の学校の制服かを確認した"と云っていた。 俺は前半を聞かなかった事にした。