そんなこんなで、今は教室。

彼の周りには女子がたくさんいる。

「おはよう、奏。」

声を掛けてきたのは私の親友の雪宮 紗理那(ゆきみや さりな)。

私のことを学校で唯一“奏”と呼ぶ人だ。

まぁ、おじいちゃんも呼ぶけどね。

ほかの人達は、私のおじいちゃんが理事長であるため、

私のことを“奏美さん”と呼ぶの。

話しなんて、もってのほか。

必要以上の話は全然してくれないの。

私的には、皆ともっと話をしたいんだけどね。

まぁ、とりあえずそれは置いといて、

「おはよう!紗理那は今日もかわいいね!」

そう。紗理那は学院中の人気者なんだ!

かわいくて、スタイル抜群、誰にでも優しくて、頭も良いんだ!

当然、男の子からの人気も高いんだよね。

隣に並ぶ私としては、恥ずかしくてしょうがない。

私までじろじろ見られるしね。

「もう!朝から何言ってんのよ・・・/////」

そう言いながら照れてる紗理那のかわいいこと。

「・・・フフフ」

思わず笑いが出てしまっていた。

「ちょっと、いきなり笑わないでよ。気持ち悪いわね。まったく。」

ありゃりゃ。いけない、いけない。

気持ち悪いとか言われてしまった。

「おい!皆、席つけー!HR始めるぞー!」

先生が来てしまった。

「あ!いけない!先生来ちゃった!じゃあね、奏!」

そう言って、紗理那は自分の席に戻った。