だけど、綾香にとって何が一番大切なのかを俺はきちんと分かってる。 分かってるからこそ。 ――完全に離れなきゃならない。 俺にはお前以上に大切なものはない。けど、お前はそうじゃないんだろ?綾香。家族やみんなの事が大好きなお前だろ。そういう所も含めて俺はお前に惚れちまったんだ。 泣かないでくれ。 お前を抱き締めた温もりも、俺を抱き締めてくれた温もりも絶対忘れない。俺には抱擁だけでも幸せだった。 ――泣かないでくれ。 最後の決心が鈍っちまうだろ。