「流樹、悠ちゃんなんであない機嫌ええん?」
隣に座ってる渓斗が俺の右隣で窓の外を見てニコニコしてる悠を指差した
「悠な、旅行行くの初めてやねん。」
「え?高校生やで?」
「おぉ。」
「ふーん…」
悠は今年の春、心臓移植してやっと運動していいようになった。
今までは、学校の宿泊なんかに行くと疲れて倒れてしまう心配があったから行けなかった。
家族旅行なんかはおじさんもおばさんも時間とれなくて行けなかったから悠にとっては、今日が初めての旅行になる。
悠、2週間ぐらい前に『メスで切った傷口も完全に治って痕も消えた』って言ってたなぁ…。
「悠、話していい?」って心臓のとこ指差して悠に言った。
そしたら「いいよ。」って笑ってくれた。
だから渓斗に話した。
「大変やったんやなぁ~…
ってゆうか、なんかドラマとか漫画とかの話みたいやな…」
「そやな!」
でも、本間、心臓移植上手くいって良かった…。
下手したら命落とす大手術やったもんな…。
ってゆうか、悠、最近ニコニコしてるから悠に惚れてる奴、メッチャッ増えてんねんよな…。

