初恋 ~幼馴染みへの恋~


「渓斗どの辺に越してきたん?」


「三丁目の5の3の──…やで。」


「ほんなら結構近所やな。

悠どの辺か分かる?」


「流樹くん家の奥に曲がり角あるでしょ?そこを右折して二個の曲がり角左折したところにある。」


「なんかカーナビみたいやな…」


「この辺の地形は全部暗記してるから。」


「すげぇな…

流樹と悠ちゃん家は近いん?」


「近いもなにも、隣の家やし…」


「ええなぁ…。」


「流樹くんは越してきたというよりは帰ってきたって感じだよね…」


「本間に。家も10年前とおんなじとこやし。」


「あ、そか…二人、幼馴染みやもんな。」


「そーやで。親同士も仲ええし…」


確か、両家の両親は幼馴染み同士で、高校生の時に母さんとおばさんが仲良かったからそれで親父同士もつるんでたらしい。

んで、俺ん家の親は大学に進学したんやけど、悠のとこの両親は芸能界に進んで、あんまり会われへんようなってたねんけど、

母さん同士が俺等産むとき、同じ病院で同じ日に俺等産んだからって言って隣の家に越して、俺等が幼馴染み同士になったとか言ってた。


本間、ムチャクチャな話やと思う。


まぁ、でも、それで悠の隣に居れるならそれでえっか…