「重たいのはこれだったんだ…」


流樹くんの腕が私の腰と胸元に回っていた

私は抱き枕扱いですか…。


心の中で悪態をついた


耳元で流樹くんがスー スーと規則正しく寝息をたてている


暖かい…。

なんか…昔みたいだなぁ…


『悠?泣いてるの?』

部屋で一人で泣いてたら流樹くんが窓から私の部屋に浸入してきた


『ふぇ…っ だって…お母さん達、いつも私に構ってくれないんだもん……』


『寂しいの?』

流樹くんの問いに私はただ、静かに頷いた


『じゃあ一緒に寝よ?』


『ふぇ?』


『一緒に寝たら寂しくないでしょ?』


『うん。流樹くん。ありがと!』


今思えば、あの頃から私…流樹くんの事、好きだったのかも…


何かあると流樹くんが必ず側にいてくれて、慰めてくれた。

流樹くんは私にとってヒーローみたいな存在だったなぁ…。


いつも、私が寂しがると一緒に寝てくれてたなぁ…。


側で『俺が居るから、寂しくないよ…』って頭撫でて言ってくれてた。


私はただそれだけで、安心できたんだ…