こわれもの


学校から帰ったアスカ。

風呂から上がり、夕食を終え、リビングのソファーでくつろいでいると、ヒロトからのメールの着信音が鳴った。

“ヒロちゃん!”

彼からのメールが来るたび、飛び上がるように胸が熱くなる。

これはもう、アスカにとって日常的なことだった。


《明日、会える?

話があるから》

ヒロトらしい、短文メール。

《バイトの後、少しなら》

そう返信し、アスカはソファーに寝転がった。


“私、ずっとこのままでいいのかな……”

ヒロトとのあいまいな関係を続けて、告白の機会を失うのがこわくもある。

今日、マツリに言われた言葉は、アスカを焦らせるのに充分なものとなった。

“明日会ったら、それとなくヒロちゃんの好み、訊いてみよっと!

それだけでも、今までの私から考えたら、充分前進だよねっ”

何かしら行動しないと、ヒロトとの関係は変わらない。

アスカも、それをよく分かっていた。