こわれもの


ヒロトは、自分の本音を見つめる。

“俺、まだ、マキに未練あんのかな?

もう、忘れたつもりだったのに……”

たしかに、アスカに出会う前まで、マキのことを思い出さない日はなかった。

しかし今は、第一にアスカを幸せにしたいと考える自分もいる……。

「わかった。

明日、あいつに告白する」

「よく言った!」

「でも、マキに言われてそうするわけじゃないからな」

「わかってるって!

ヒロトにも、いよいよ彼女が出来るんだね~」

「相手の返事次第だし、まだどうなるか分かんねぇって」


何が嬉しいのか、マキはヒロトの恋を自分のことのように喜びはしゃいでいるが、その心の内は違った。

“ヒロトのこと諦めるために、わざとヒロトの恋を応援してる……。

ウソついてごめんね”


「また、どうなったか聞かせてね~」

さっきまで怒ったり泣いたりしていたのがウソだったかのように、マキは明るくそう言い帰っていった。

マキを見送った後、ヒロトはアスカにメールを送ったのだった。