こわれもの


マキは、そんなヒロトの心情を知ってか知らずか、

「じゃあ、今すぐその子に告白しなよ」

と、ヒロトにアスカへの告白メール送らせようと、提案したのである。

「そんなの、いつでもいいって」

考えるまでもなく、ヒロトはそれを却下したが、マキは首を横に振り、

「ダメだって!

そんなノンキにしてたら、他の男に取られるかもよ?」

「……!」

ヒロトの脳裏に、アスカのメールが浮かぶ。

アスカは気付いていないようだが、彼女は同じクラスの毒舌男子·マツリに好かれている。

今の時点で、すでにライバルがいる……。

「ヒロトなりに考えて告白も先延ばしにしてるんだろうけど、好きなら好きでサッサと言った方がいいよ。

……私が会いに来たから、変に遠慮とかしてる?」

「そんなことは……」

「それとも、まだ私のことを好きでいてくれてるとか?」

マキは言い、意味ありげな上目遣いでヒロトを見つめた。

「……」

違うと言い切れず、ヒロトは黙り込む。

アスカとの関係をマキに後押しされるのが、彼にとってなぜだか心苦しかった。