こわれもの


バツが悪かったのか、マツリは教室を出て行ってしまった。

「ガキ相手にしてると疲れる」

アスカは言い、頬杖をつく。


キョウは、マツリが出て行った教室後方の出入口を見ながら、

「もしヒロトさんがダメだったら、マツリと付き合ってみれば?」

と、冗談ぽく言った。

アスカは頬を膨らませ、

「キョウまで、そんなこと言う!?」

「ごめんごめん!

たとえばの話だよ。

もちろん、ヒロトさんとうまくいくのが一番だと思ってるけど」

そう前置きし、

「マツリも、悪くないと思うんだよね。

口は悪いけど、言ってることはけっこう的を射てるし、アスカのこと本気で心配してるんじゃないかな」

「そうかなー?

心配されてる感じはしないけどなぁ……。

アイツと話してても、腹立つだけだし!」

マツリには、一方的にやり込められてばかり。

そう感じているアスカには、マツリの良さなどちっとも分からなかった。