こわれもの


「お前、ヒロトにそういうとこ見せてんの?」

極悪人のごとく歪んだ顔でマツリは言った。

完全に、アスカを怒らせるべくからかっている風である。

「マツリは相変わらずだね。

そのへんにしとけばー?」

キョウはゆったりと止めに入るが、それで二人の言い合いが終わるわけもなく。

「アンタに心配されるまでもなく、ヒロちゃんにはちゃんと本当の自分見せてるもんね!」

「『ヒロちゃん』?

呼び方からして、甘々過ぎて引くわー」

マツリは両手で首を掻(か)く仕草。

「別にいいじゃん!

アンタと違って、ヒロちゃんは大人なんだよっ」

「大人ねぇ……」

ヒロトは嫌らしいくらい皮肉った口調で、

「たった5歳違うだけだろ。

それに、男の精神年齢って女より3つは下って言うし」

「歳なんか関係ないもん!

それに、そう言うってことは、アンタ自分で、精神年齢14歳って言ってるのと一緒だよ」

珍しくアスカの反撃が効いたのか、マツリはそれ以上突っ掛かってくることはなく、

「俺を、ヒロトなんかと一緒にすんなっ」

ムキになり、アスカ達の席から離れていった。