こわれもの


春休みを目前にした3月中旬。

「春休み、どこ行くー?」

浮かれるクラスメイトが多い中、アスカは教室の自分の席でため息をつくのがクセになっていた。

ヒロトのことを考えると、無意識のうちにそうなってしまう。


「アスカ、またヒロトさんのことで悩んでる?」

キョウがやってきて、アスカの頭をポンポンと軽くなでる。

「友達でいるのがそんなにつらいなら、もう告ればいいのに。

絶対、大丈夫だよ~」

キョウらしく、楽観的な口調で告白を勧めた。

「フラれたら、バイトも行けなくなるよ……」

アスカは机に突っ伏し、キョウを見遣る。

「絶対付き合えるって保証があれば、何とか勇気ふりしぼって告白するのに」

「だよね~。

ヒロトさんから告ってくれれば、楽なのにね」

キョウはアスカに同調した。