こわれもの


「気にすんなって。

アスカは楽しめた。俺も楽しかった。

それでいいじゃん」

深いことは追求しない。


“アスカは純粋なやつだ。

昔関わったヤツらとは違う”

社会人になって様々な世代の人間と関わり、ヒロトはそれなりに観察眼……人を見る目を養ってきたつもりだし、自分の感性を信じている。

だが、ヒロトの思いとは違い、アスカの表情は微妙に陰(かげ)っていた。

「何を悩んでんのか知らないけど、困ってることあるなら頼れよ。

出来る限り助けてやるから。

妙な遠慮もナシでな」

「ヒロトさん、優しいね……」

「優しくねえって。普通だよ。

あ、サン付けもやめて。

なんか恥ずかしいし」

「……じゃあ、ヒロちゃんって呼ぶ!」

「ヒロちゃん!?」

ヒロトは目を丸め、激しく動揺した。

「『ヒロちゃん』は、イヤ?」

「……妙に可愛すぎる気がするけど、ま、いっか。

アスカが呼びやすいなら、そうしな」

「うん!!」