観覧車内で向き合って座る二人。
ヒロトは満足げなため息と共に、ゆっくりと空に近づく窓を眺めた。
「久しぶりに遊んだ。
子供の頃に戻ったみたいな」
眼下に広がる夜景をバックに、二人はアトラクションの感想を話した。
「ヒロトさんの悲鳴、ビックリしたよ!
お化け屋敷で叫ぶ男の人、初めてだったし。
お化け役の人より、こわかった!」
アスカは朗らかに笑った。
クールな言動に似合わず、ヒロトは小心者らしい。
「普通、びびるだろっ。
こんにゃくみたいな物体が、突然顔面めがけて飛んできたらさ!」
「ヒロトさん、ビビりすぎ! ウケるー!」
お化け屋敷が大好きなアスカは、ケタケタ笑ってヒロトをからかった。
“ヒロトさんって、もっと大人で落ち着いてると思ってたけど、意外に可愛いとこあるんだな”
彼の新たな面を知れたのが嬉しく、また、憂鬱なイメージしかなかった遊園地を満喫できた自分に驚きを隠せないアスカであった。


