だが、いつまでも過去の痛みに縛られ続けるわけにはいかないということも、心のどこかで分かっていた。
母はすでに再婚し、新しい幸せをつかんでいる。
自分ばかりが、同じ場所にとどまっているのは悔しいし、それこそ子供じみていて情けないように感じた。
父と母に対し嫌悪感を持てない以上、両親の離婚を完全に割り切ることなど出来はしないが、前に進み、少しずつ、光で胸を埋めていきたい。
ヒロトと一緒に遊園地に行けば、過去にとどまったままの思い出の地も、塗り替えることができるはず――――。
やや、ヒロトの優しさを利用している気がして心もとないが、
「遊園地なんて、長年行ってないなー」
とはしゃぐ彼を見て、アスカの罪悪感は薄れた。
二人で一緒に楽しむことができたら、それが一番。
ヒロトと過ごす喜び。
過去に別れを告げる覚悟。
そのふたつを胸に、アスカは片道のドライブを満喫したのであった。


