こわれもの


アスカ視点によるマツリのグチを聞いた後、ヒロトは面白そうに言った。

「そいつ、アスカに気があるんじゃないの?」

「そんなの、あるわけないよっ。

好きだったら、もう少し優しくしてくれるだろうし」

アスカは、ヒロトの推察を全否定した。

ヒロトは声を上げて笑い、

「アスカには分からないかもしれないけど、男って、そういうトコあるんだって。

まだ若いし、素直になれないだけだろ」

「マツリの場合、若いんじゃなくてガキなんだよ。

女心を分かってない!」

アスカは頬をふくらませ、不満をあらわにする。

「マツリには、ヒロトさんの優しさを見習ってほしいよ。

ヒロトさんみたいに、誰にでも優しくするって、難しいもん」

「……俺、誰にでも優しくしてるつもりないけどな」

「ヒロトさん、無自覚なんだね」

「……かもな。

ちょっと、飯食うか。

昼過ぎてるし」


適当に走った先で、ヒロトの車はファーストフード店に入っていった。