アスカは、5歳という歳の差を大きく感じていた。
“ヒロトさんが今の私の年齢だった時、私はまだ12歳だったんだよね……”
なぜか、ヒロトの恋愛経験が、気になって仕方ない。
しかし、今日こうやって友達になったばかりで、そんなことを尋ねられるわけもなく、クラスの友達に接する時のようにアスカは明るく話していた。
ヒロトのさりげない気遣いの裏に女性の影響を感じた理由は、他にもある。
アスカの元カレは、一緒に食事に行った時、出入口の扉を支えず先にサッサと店に入ってしまうような男子だった。
当時のアスカは、それが普通だと思って付き合っていたが、ヒロトを見ていると、元カレがいかに気遣い下手だったのかが分かった。
車内でブランケットを出してくれたり、出入り口で扉を支えてくれたり、飲み物を手渡してくれたり。
それに加え、アスカの母親の心情や立場まで考えてくれたり。
そんなヒロトを男性として意識するのに、多くの時間はかからなかった。
焼肉を全て平らげる頃、アスカは、ヒロトのことをもっと知りたいと思うようになっていた。


