こわれもの


注文した肉を全て食べ切ると、アスカは満足げに息をついた。

「こんなにおいしい料理大量に食べたの、久しぶり!」

「普段どんな飯食ってんだよ」

言いつつ、ヒロトは優しい笑みを浮かべ、

「俺も、久しぶりに夜飯がうまいと思ったわ。

今日、アスカとここに来れてよかった。

うまそうに食う顔見れたし、それだけでこっちは満足」

「ヒロトさん、誰にでもそういうこと言ってそう」

「んなことないって」

“私も、ヒロトさんとご飯に来れてよかったと思ってるよ”


ヒロトは空き皿を見て、

「そういえば、野菜とかはいいの?

肉ばっか食ってたけど。

あ、デザートは?」

「ううん、もういい。満腹だよ」

何でもない風に返したが、アスカの内心は穏やかではなかった。

ヒロトの気の遣い方は、彼の性格からきているものだけには見えなかったからだ。

“ヒロトさんは、今までに彼女とかいたのかな?

22歳だもんね……。

今は好きな人とかいないっぽいけど、女性の扱いに慣れてて、当然だよね……”