こわれもの


逃げるように店を出たヒロトの頭上には、白っぽくも灰色の空が広がっていた。

冷たい風に乗って、小粒の雪がゆらゆら降り始めている。


アスカと過ごした一年間が鮮明に蘇り、ヒロトの頬には一筋の涙がこぼれた。


コンビニから数分歩いた先で、傘もささずに、アスカからもらった手紙を読み直した。

《ヒロちゃんへ

いま、ペルセウスにいるよ。

いきなり手紙もらって、ビックリしたよね?

今日は、ヒロちゃんに伝えたいことがあってこれを書くことにしました。》


ほとんど人通りのない歩道。

時折車道を過ぎる車の走行音を背景に、ヒロトは昨日《ペルセウス》で読んだ紙面に再び目を走らせた。