こわれもの



翌日。

ヒロトは、アスカがバイトしているコンビニへ出向いた。

前、アスカから聞いていたバイト予定では、たしかにこの時間、アスカはシフトに入っている。

しかし、カウンターにアスカの姿はない。


ヒロトは店内清掃中の大学生アルバイターを呼びとめ、尋ねた。

「今日、上原アスカいないの?

この時間に入ってるって聞いたんだけど……」

「ああ、上原さんなら、昨日辞めたらしいっすよ。

急だったんで、店長もビックリしてました」

「辞めた!?

なんで?」

「受験に集中するためらしいっすよ。

俺も今日、上原さんの代わりに入るよう店長から言われて。

まあ、受験ならしょうがないかって気もしますけど」

「……そうなんだ。

ありがと。邪魔して悪かったな」

「いえ」

何も買わず、ヒロトは店を飛び出した。

“アスカ……。

本当に、もう、お前とは会えないんだな……”