こわれもの


“私、ヒロちゃんのこと、ずっと忘れないよ――”

涙は、手紙と共に流し切った。

思い切り愛し、精一杯、ヒロトに恋をした。

ヒロトとはもう二度と会えないけれど、アスカにとって、彼と過ごした時間は、いつか必ず宝物になる。

どんな宝石にも負けない、キラキラ輝く、宝物に……。


一瞬だけ切なげに眉を下げたが、アスカはもう、うつむかなかった。


マツリやキョウは傷心のアスカを気遣いつつも、普段のように何でもない話で盛り上がる。

ヒロトを失ったら、自分に残るものなんて何もないと思っていたアスカ。

けれど、そんなことはない。

アスカは、キョウとマツリの顔を見て、この二人とは一生仲良くやっていける気がした。

周りを見渡せば、自分のことを大事に思ってくれる人がいる。

なんて幸せなんだろう。