こわれもの


「お前ら、普段俺をどんな目で見てんだよ。

つーか、質問しといてその反応はないだろ」

マツリは言い、アスカのおでこを軽く小突いた。

「だって、マツリっぽくない意見だしっ」

アスカは動揺し、おでこを押さえて頬を膨らませた。

「はいはい。どーせ俺は、下っぱの憎まれ役だよ」

マツリは怒った風でもなく、どこか嬉しそうな横顔で自分の席に戻っていく。

キョウはアスカの耳元で、はしゃぐようにささやいた。

「もしかして、今のマツリの言葉、アスカへの告白なんじゃない!?

好きなヤツの幸せ願う~…の辺りとか、特に!」

「嫌だよ、あんな意地悪なヤツ!」

クセというか、ついムキになってそう返してしまったが、アスカはマツリのことを、ほんの少しだけ見直した。

予鈴が鳴ったので、

「じゃあ、また後で!」

キョウも自分の席に着席する。


マツリとキョウ。

アスカは、自分より前方の席に座る二人の背中を見た。

“ありがとう、二人とも……。

そんなに真剣に話聞いてくれるなんて、思わなかった。

今まで心から信用してなかったこと、本当にごめんね……”