こわれもの


“私は今まで、ヒロちゃんの気持ちを、少しでも考えれてたかな……?”

自分の幸せにばかり目がいき、ヒロトの心をちゃんと見れていなかったかもしれない。

現に、マキの話をされるまで、ヒロトの元カノの存在すら知らなかった。

付き合う前は、あんなにヒロトの恋愛歴を気にしていたというのに。

アスカが自分の席で考え込んでいると、マツリとキョウがそろって登校してきた。

彼らは、教室に入るなりアスカの席までやってくると、口々に言った。

「アスカ、大丈夫?」

「昨日、あの後ヒロトとは話せたの?」

どうやらキョウは、昨日アスカとマツリが偶然駅で会ったことを、マツリから聞いたらしい。

心配そうに覗き込んでくる友達二人を前に、アスカはまっすぐな目をして尋ねた。

「……もし、自分の好きな人に好きな人がいたら、どうする?」

マツリとキョウは目を見合わせ、アスカがした質問の意味を沈思する。