昔は仲の良かったはずの両親を見て、小学生の頃のアスカはこう考えた。
“どんなに仲が良くても、いつか別れが来るのなら、深く関わらない方がいいんだ”
幼いながらも、他人と壁を作って自分を守ることを覚えた。
10年近い義務教育生活の中で、アスカは人に合わせることを覚え、多少の弱みを出すことが人付き合いの潤滑(じゅんかつ)油となることも知ったが、ネチネチと感情の入り混じった人間関係は今も苦手である。
一番仲の良いキョウ相手ですら、本当の意味で信用できないし、完全に自分をさらけ出すことができない。
それは全てアスカの本心ではなく、あくまで自分を守る術。
本当は、自分をさらけ出し、心の底から相手を信頼できるような人間関係を求めていたのだ。
だからこそ、元カレには良くも悪くも自分を出し、別れてしまった後も執着することになった。
自分らしくいられる唯一の居場所を失いたくない、と、もがいて……。


