こわれもの


「ヒロちゃんは、マキさんとヨリを戻したいんだよね……?」

アスカは、血のにじむような思いでそう口にした。

ヒロトと付き合っていた時間は幸せ以外の何物でもなく、この先も、穏やかに心通じ合う二人でいられると信じていた。

だからこそ、ヒロトの気持ちを理解できても、別れに納得はできない。

「私、ヒロちゃんと別れたくない……!」

すがることで、アスカはヒロトの気を引こうとした。

決して賢くはない方法だと自分でも分かっているけれど、ヒロトを失う恐怖に比べたら、みっともなくてもこうすることしか思いつかない。

本能のままに、アスカは訴えた。

「マキさんのことどんなに好きか知らないけど、一回別れた人なんだよね!?

だったら、また付き合ったってうまくいくわけないよ!

どうせまた、マキさんの気まぐれでフラれるに決まってる!」

「アスカ……」